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道後温泉をご存じの方は多い。
四国愛媛県松山市にあり、夏目漱石の「坊ちゃん」といえば「あ、あそこか!!」と、誰でも知っているところである。お世話になっている方がいて、私の講演が中心で年に何回も訪れている。
数年前、家内と家内の母をともなって、道後温泉へ行き、そして近くの内子(うちこ)と言う白壁の町へ足を伸ばしたことがある。それより1〜2年前に私一人でその地へ行ったことがあり、もう一度どうしても行って見たくて家内と母を誘ったのである。
街中からちょっと山へ入ると、山間のその景観は当地と似ているところもあり、他の観光地と違ったなにか心安らぐものがある。私がどうしてももう一度泊まってみたいと思っていたその山あいの宿に着いた頃には日も暮れかかっていた。いつもは満室の「石畳の宿」というその町営の宿は、その晩はたまたま私たち3人だけで、囲炉裏の火を囲み、その日当番という近所の主婦の方々手作りのおいしい郷土料理をいただきながらゆっくり時を過ごすことができた。
たくさん飲んだ私の酒の料金も含め全員で2万円ちょっとですみ、申し訳なく思うほどの料金であった。近くの山で採れた新鮮な素材で作っていただいた昨晩の郷土料理はどれもおいしく、残すには惜しくて無理をしていただいたこともあり、次の日の朝食もさらにおいしそうだったが、泣く泣く「今朝生みたてのたまご」を全員で残してしまった。
そして帰りがけ、出発する私たちに当番の奥さんの一人が私たちに手渡してくれたのがそれをわざわざゆででくれた「ゆでたまご」だったのだ。帰りの電車の中で食べたその味がひときわおいしかったのは言うまでもない。
内子の街中にあるお土産屋さんにぶらりと入ったときのこと。福島から来たといったら、「棚倉でしょう。棚倉の顔をしてる。」といきなり言われて驚いた。いろいろなことがあり、忘れがたい旅となった。 |
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