TMO「株式会社まち工房たなぐら」
株式会社 まち工房たなぐら
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まちこ瓦版
Vol.11〜17
Vol.01〜Vol.10
Pick Up
赤舘の麓に伊野村生まれる
 棚小の校歌に「桜清水の学びやは」とあり、校舎の土手の下に「桜清水」と書かれた案内板に、立花宗茂なる武将がこの清水で茶を点てたという説明があった。そして先生からは、宗茂が異郷での寂しさを紛らわすためだった習ったことを覚えている。
 慶長5年(1600年)、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、常陸の佐竹氏を出羽の秋田に移し、南郷に総検地を実施した。その南郷の一部に、かつて筑前柳川13万石の城主だった立花宗茂が領地を与えられた。慶長9年、西軍に加担して改易された宗茂は、彼の力量を惜しんだ2代将軍秀忠の計らいで、書院大番頭に取り立てられ、さらに1万石の大名として棚倉に移された。居館は馬場都々古別に近い、検地役人らが使った代官屋敷だった。
 当時の武将は茶を嗜(たしな)んだ。茶は利休の詫び茶である。宗茂は代官屋敷の草庵で茶会を催す際、亭主として自ら桜木の下に湧き出る清水を汲みに出かけ客人をもてなした。寂しさを感じる閑などない。客人から幕府の情報を得、柳川復帰のための道筋を探る茶会だった。

タイトル写真/棚倉小学校の東側土手下の「桜清水」。石造りの休憩用テーブル・イスがある。
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歴史読み物「棚倉、城とまち」 目次
第1回 「町の移り変わりを見守る欅(けやき)の巨木」
第2回  「野球少年を育んだ城跡」
第3回  「欅は馬場都々古別神社のシンボルだった」
第4回  「赤館の麓に伊野村生まれる」
第5回  「勇将、立花宗茂の入村」  
第6回  「聖地の上に築城する戦国武将」
筆者プロフィール
青木 美智男

昭和11年、福島県東白川郡棚倉町南町生まれ、現在東京都北区在住、専修大学文学部教授。著作[単著]『近世非領国地域の民衆運動と郡中議定』(ゆまに書房 2004年)[編著]『番付で読む江戸時代』(柏書房 2003年)[史料集]『東海道神奈川宿本陣石井順孝日記』1〜3(ゆまに書房 2001〜3年)他多数。
1954年(昭和29)
1962年(昭和37)
1965年(昭和40)


1974年(昭和49)



1997年(平成9)
福島県立東白川農業商業高等学校商業科卒業
明治大学文学部史学地理学科卒業
東北大学大学院文学研究科修士課程を修了
神奈川県史調査執筆委員、新潟県史編集委員、
神奈川大学経済学部・中央大学法学部で非常勤講師
日本福祉大学社会福祉学部(助教授)に奉職のち経済学部に移り教授
この間、教務部長・付属図書館長・就職部長・経済学部長を歴任。
愛知県立大学・名古屋大学・愛知大学・新潟大学・愛知教育大学で非常勤講師
愛知県史専門委員(近世部会長)として現在へ至る
専修大学文学部(教授)へ移り現在に至る。
早稲田大学大学院文学研究科および法政大学大学院文学研究非常勤講師を兼任
現在 専大大学院社会知性開発研究センター歴史学拠点所長


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